羊毛 原毛

羊の毛を刈るには 家庭で簡単に切る方法と注意点

羊の毛を家庭で刈る機会というのはあまりないかもしれませんが、
編み物好きが高じ、糸紡ぎの道にどっぷり浸かってしまった場合には
羊の毛を刈る事になる場合もあるかもしれません。

万が一、毛を刈っていいヒツジが目の前に現れた時のために
家庭で簡単に羊の毛を刈る方法を記載しておきます。

オーストラリアやニュージーランドで羊の毛刈りをするシーンをテレビで見た事がある場合は、羊の足を持ってひっくり返して、バリカンを使って毛をクルクルっと見事に刈るところを見た事があるかと思いますが、実際に羊と対面すると、とても大きく重量感たっぷりで、この動物をひっくり返すなんてとても無理だという事がわかります。

羊専用のバリカンは10万円以上するそうなので、素人が毛刈りを楽しむ時に購入するには高すぎです。

そこで、用意するのは手芸用の布を裁つハサミです!

布が切れるように出来ているので、羊の毛の繊維も滑ることなくよく切れます!
ただし、注意点があります。

羊の毛皮はとても脂っぽくて、ラム肉のにおいがそのままする感じです。
変な言い方ですが、羊の体臭は食肉になってもかわらないんだなーと思ったくらいです。

普段の手芸で使う裁ちばさみをそのまま使うと、次の機会に切る布にはヒツジのにおいがついてしまいます。

100円ショップで買えるような安い布切りハサミを準備するといいですよ。

羊の毛は脂っぽくて羊のにおいがします!
使い捨ててもいい安い手芸用の布切りハサミを用意しましょう!

 

羊の毛は、かなり毛足が長いです。
指の長さくらいはあるでしょうか。

紡ぐためにはなるべく長い繊維で刈り取りたいですが、最初から生え際ギリギリから刈るのは無理だと諦めたほうがいいです。羊の皮膚を傷つけないように気を付けながら全体の毛の長さの半分くらいのところにハサミを入れて、切りはじめの場所を確保しましょう。

また、羊は音に敏感なので、ハサミを最後まで閉じるとシャキン!と音がして、その音に驚いて動いてしまうので最後まで閉じずに切れたら刃を開く事をおすすめします。

それに気付かずシャキンシャキンとやっていたら、羊が暴れて動いてしまい・・・

後ずさりしていったので、相当嫌われてしまったと慌てたら、突然突進して頭突きをしてきました!羊は穏やかな動物ですが、怒らせると危険です。
羊には事前に十分餌を与え、なるべく音をたてないように毛を刈り、背中を向けないように気を付けましょう。

この羊の場合には、ジャコブ羊という牛のような模様が特徴的な羊ですが、毛の色も部分的に違うので、紡ぐと面白いニュアンスがつきます。

 

この場所は左側が白い毛、右側が灰色の毛です。
黒い毛や茶色の部分もあり、とても魅力的な羊です。

ミックスカラーにして使うか、部分的に色が違うところをより分けて使うかを考えてしまいます。

また、色だけでなく、毛の生えている部位により毛の質が違いますので、部分や色で分けられるように、毛を入れる容器か袋を用意しておくといいですよ。

お腹の部分やお尻の部分は、羊の重さでフェルト化している場合もあります。
キレイな毛を使いたければ背中や胴の横の毛などがいいですね。
毛の表面側と、体側でも色も柔らかさもだいぶ違います。

刈った毛は汚れていますし、脂分も多いので、紡ぐ前には洗う事になりますが、洗うまでの時間が長い場合には注意をしたほうがいいことがあります。

羊によっては体にダニがついているので、刈った毛にダニがついている場合があります。
知らずに家の中に持ち込んでしまうと大変な事になりますので、すぐに洗わない場合にはチャック袋に入れて毛を保管したり、ビニール袋に入れて密封し、太陽の熱でダニを退治するなどの処置をおすすめします。

羊にはダニがいるかも!部屋の中にそのまま持ち込むと危険!チャック袋に入れて放置するか、熱処理、冷凍処理などをして退治することをおすすめします!

 

汚れた羊毛の家庭での洗浄方法については、こちらの記事をご覧下さい。

⇒ 汚れた羊毛の洗浄方法