手紡ぎ

汚れた羊毛の洗浄方法

汚れた羊毛をいただきました。
国産のジャコブ羊の頬の毛です。

汚れ…というか異物付き羊毛です。
雑草の種が付きまくりです。
「ああ、大自然に囲まれた場所で育ったのねー」と、
羊の生育歴に想いをめぐらせるのも楽しいものですが、
これを紡いで糸にして編むまでが大変です。

「大変」と言いながら、やりたいからもらってきたんですけどね!

今回は、汚れた羊毛の洗浄方法について解説していきます!

羊毛の主がこちら!ジャコブ羊です。↓

ジャコブ羊の毛の特徴

白・黒・灰色・焦げ茶色の毛のミックスカラーです。
部分的につまみ出せばそれぞれの色の良さで紡げますが
カードにかけると色が混ざりグレーカラーになります。

毛の縮れ(クリンプ)が細かくて深く、バネがあるので、
軽くてふくらみのあるものを作れます。

 

 

な・ん・で・す・が・・・

目一杯ゴミが付いてますね!

飼い主さんが言うには、
「草刈機が壊れて草刈り出来なかったら、羊がどんどん突っ込んでっちゃって種だらけになった…」と。

日頃、動物園のようなところでしか羊を見た事がありませんし、
目にした事のある羊毛の原毛は洗った状態のものばかりだったので、
まさかの汚さなんですが・・・。

イメージの中の羊はもっとふわふわでキレイな毛じゃないですか?
でも、これが現実!

 

普通はこの状態の羊毛、破棄されるか畑の肥やしになるんでしょうけど、もらったからには何とかしたいですよね〜。

国産のジャコブということもあり、とても畑の肥やしにはできません。

しかし、種が付きすぎている!

さらに羊の脂と砂汚れでギトギトざらざら!

この状態の原毛をグリージーというんですが
グリージーにしても汚すぎる・・・

さぁどうしましょう…?

実は、羊毛を洗うには「液体モノゲン」というせっけんを使うのが一般的らしいですが、もちろんそんな洗剤はありません。

しかし、以前「オシャレ着洗いで羊毛を洗ったよ!」という情報を聞いたことがあったので、早速洗面所に行って探してきました。

はい、ありました。

ホームクリーニング・エマール!

今回はこちらで洗っていきたいと思います。

…本当ならゴミを取り除いてからの洗い作業なんですが、いかにせん汚れがひどかったので、先に洗いが入りました。

今回、この羊毛に限っての例外なので、参考にされる方はゴミ取りから始めて下さいね。

汚れた羊毛はゴミを取り除いてからエマールで洗おう!

 

ここから洗い作業なんですが、あまりの過酷さに写真撮り忘れてました(笑)

洗っても洗っても泥汚れと種がプカリプカリ(笑)

ひー(ToT)

写真がないので文章で説明しますね。

 

まず羊毛の3〜10%の量の洗剤をぬるま湯に溶かして洗剤液を作っておきます。

40度〜60度のお湯に羊毛を浸します。

浸し時間は30分〜1日。

お湯の温度が下がらないようにフタをしておくといいです。

お湯の量は羊毛の40倍くらいが理想ですが、まぁ羊毛が泳げるくらいの量があれば大丈夫でしょう。

羊毛の汚れ具合によって洗剤の量を変えたり、お湯の温度も高くします。

お湯に浸した羊毛に先程作った洗剤液を静かに足します。

洗いはそーっと。

ここでモミモミしてしまうとフェルト化してしまうので、慎重に洗います!

汚水を流し、新しいお湯を足します。

軽くすすいでお湯を捨てます。

またお湯を足します。

あくまでもお湯を足して泳がせる程度に…

決して揉んではいけませんよ!

これを繰り返し、汚れと脂が適度に取れたところで洗い終了になります。

汚れがひどい場合は洗剤液も足して数回洗うのがいいですね。

洗い終了後、洗濯機の脱水を30秒程かけると綺麗に水分が取れて乾かすのに楽です。

怖いですが、ここでフェルト化はしないので安心して下さい。

しかし私は面倒くさがりなので、羊毛を掴んでブンブン振り回して脱水しました。

その後新聞紙の上に広げて乾燥〜。

万が一ここでフェルト状態なのを発見してしまったら、丁寧にほぐしておきましょう。

あ!一つ大事な事を言い忘れてました。

羊毛は急激に温度が下がる時もフェルト化します!

なので羊毛をお湯に浸した時にフタをしたり、すすぎもお湯で行うんですね。

はい、ここ忘れないでください!

 

洗い作業が終了したので種の除去に入ります。

普通の羊毛には無い作業なので写真撮ってなかったですが、ピンセットでちまちまと掴んでは捨て、掴んでは捨て…の作業数時間。

ここまで綺麗になりました。

最初の写真と比べてみて下さい。

これが↓

これに↓

脂と汚れ、種の除去に成功しました。

自分に拍手。パチパチパチ☆

 

ここから羊毛をカードにかけていきます。

しかし、この羊毛、貰った時点で既にフェルト化が進んでいたんですね。

種のおかげで(笑)

ニードルフェルトと同じ原理で、種の殻のトゲトゲが羊毛を絡みつかせていたみたいです。

そんなわけで、カードかけてもこんな↓

ほぼ一緒です(笑)

まぁ、カードかけた方が扱いやすそうな感じ…かな⁈(笑)

以上、汚れた羊毛の洗浄方法として参考になりましたら幸いです。